テレワークが普及しないのは社員を信用していないから
今回のブログ記事のタイトルは「コロナピンチでDXを推進しよう」。何言っているか分からないひとも多いと思うので、ちゃんと説明しますね。
今回のコロナウィルス騒動で、政府は小中高という学校を休校にする方針を発信し、さらに企業に対しては、時間差通勤やテレワークを推奨しています。
時間差通勤というのは、まず人間と人間が高密度で接触する満員電車から離れようという方針だと思います。コロナウィルスの発症源である武漢市では、交通機関をすべて停止させ、さらにガソリンスタンドのオイルの販売も禁止したそうですから、それに比べれば、かなりユルイ施策ですね。
そして「テレワークの推奨」。テレワークとは会社とは別の遠隔地(つまり自宅)で仕事をするというビジネススタイルで、もう何年も前から「テレワーク、やったほうがいいね」という風潮はありました。
ですが会社という周囲の目がある場所から、昼間から風呂に入ったり、パジャマのまま仕事をしたり、仕事の合間にアマゾンプライムで映画を見たり、好きな時に飯を食って、音楽を流しながら、子供とも遊びながら仕事をするのはけしからん…的な風潮が日本企業に存在しているは事実。
ちなみに昼間から風呂に入ったり、昼寝をしたり、パジャマで仕事しているのは僕です(笑)。
結局、なんというか「信用されていない」のだと思います。社員の裁量で最適化した仕事環境というものが。まずは、この壁を超えることが重要だと思います。
別に昼間から風呂に入ろうが、昼寝をしようが、彼女を連れ込んでチョメチョメしようが、日中に決められたタスクノルマを消化すれば、それでオッケーじゃないの? と思うのですが、この国では「働く」「働いて賃金をもらう」という概念が、なんとなく戦前の帝国陸軍とか、憲兵隊の取締りのような感覚が残っているようです。
テレワークが普及すれば
もちろん、すべての会社員がテレワークできるとは思えません。仕事の内容によっては外回りで頑張っているセールスも多いでしょう。しかし、少なくともパソコンを仕事のツールとして使っている社員は、全部テレワークに切り替えても問題ないのではないでしょうか。少なくとも経理とか総務とかはテレワークで十分でしょう。
さらにプリセールスや、プランニング。あるいは僕のようなパソコンを使ったデザイン業務(ドキュメント生産)は、テレワークに移行しても大きな問題はないはず。そして社内の会議室で対面で行うミーティングこそ、テレワークで可能な領域なわけです。
そしてテレワークが普及すれば、よいことがたくさんあります。まず通勤しなくてもよい。片道1時間、往復で2時間が浮きます。僕なんか朝8時に起きて、そのままコーヒー入れてから、すぐ仕事します。もちろんパジャマのまま。
誰にも会わなくてもいいので、髪の毛はボサボサのまま(笑)。これって女性はお化粧とか洋服選びとか、そんな時間がなくなって、ものすご効率的なんとちゃいますか?
朝8時から仕事を8時間すれば。夕方の4時には8時間の労働を完了できるわけです。市役所の職員よりも早く仕事を終わらせることができるし、浮いた時間を自分磨きにも使えるし、家族と一緒の時間にも充当できる。
ね、いいことずくめじゃないですか。なぜこれをもっと国家単位で推奨してこなかった。いままで「イタリア人は昼飯に2時間かける」とか、他国の勤労習慣を指を加えて見ているんじゃなくて「日本人は夕方の4時には仕事を終えて、自分の作家活動や仲間とバンドの練習をしたり、子育てを楽しんだり、夫婦でメイクラブしてるらしいぜ、だから日本は少子化を脱却した」とか世界に誇りたくないですか。
いまこそ気がつかなかった歯車を稼働させて、個人も企業も社会も変化すべきなのです。
その障害はデジタルで勤怠を管理できないこと
それが難しいのはなぜか。それは企業がデジタルを軸に数値で社員を管理できていないことです。もうね、会社でタイムカードを押して総務が全社員のタイムカードをチェックしたり、購入や交通費生産とかを手書きでするのとか、そこにどれだけの無駄な時間があるのか分かっているのでしょうか。その時間の無駄は、イコールお金なので、大きな損出なわけですよ。
日本の会社の多くは、総務にしても管理職にしても、まるで刑務所の看守のような仕事をしているような気がします。そんなことをするよりも、すべてをデジタル(具体的にいえばアクセスでもファイルメーカーでもいいので)に置き換えることで、どれだけのコスト削減になるのかを考えるべき。
聞いた話では、誰もが知っている大きな会社の経理では、請求書業務に3日かけていると言います。しかも手書きで。
そこでデジタル・トランスフォーメーション
つまり、多くの企業がテレワークを導入しようにも、それ以前の社員管理(社員というか勤怠やプロジェクト管理)をデジタルに統合していないことが大きいのです。
そうした、ITツールを使っての切り替えを「デジタルトランスフォーメーション:DX」と言います。Digital Transformationは、英語圏では接頭辞「Trans」を省略する際にXと表記することが多いため、「Transformation」が「X」に代わり、「Digital Transformation」⇒「DX」と表記するようになったようです。
この言葉を作ったスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授は「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」ことだと言っています。つまり人間ができることを、可能な限りデジタルに置き換えていこうという姿勢です。
こうして書くと「?」が頭に浮かぶ方も多いでしょう。「そんなことは当たり前じゃん」…と。ですが、社員の勤怠管理、プロジェクト管理、もっといえば顧客への請求書を手書きで行なっている会社が、世の中にはまだまだたくさんあるのです。
日本全体でDXの取り組みが遅れていることで、とうとう経済産業省はDXレポートとして「2025年の崖」を発表したほどです。このまま日本国の多くの企業がDXに取り組めない場合、2025年には崖に落っこちるというシミュレーション。
まとめ:コロナ対策をDX課題解決にも使え
さて最初の話に戻ります。今回コロナウィルス対策としてテレワークが推奨されていますが、多くの企業で、その対応汗だくになっている。それはテレワークとはDXの中の一例であるためです。
だからこそ、企業の中で、いま、DXの脆弱性を見つけて、そこを埋めていくことが求められていると思います。
そのデジタルを使った社内のフローやしきたりや、もっといえば価値観の見直しは、きっと社員も会社にもハッピーが降ってくるような気がします。
これを読んでいる中小企業の社長さんや役員さん、もしDX導入でお困りのことがあれば、僕がご相談に乗ることもできます。ぜひ連絡ください。