コロナウィルスとテレワーク

風が吹くと桶屋が儲かる

実は1月末頃に、武漢の新型肺炎がニュースになっている頃から思っていたことです。「風が吹くと桶屋が儲かる」ということわざ(?)があるじゃないですか。風が吹くと土ぼこりがたって目に入り盲人が増える。 盲人は三味線で生計を立てようとするから、三味線の胴を張る猫の皮の需要が増える。 猫が減るとねずみが増え、ねずみが桶をかじるから桶屋がもうかって喜ぶ。…というデタラメな発想なんですが、僕はけっこうこれが好きで、何か時代の変わり目だったったり、大きな事件が起きると、そんなことを考える癖があります。

でも、それって実は23年前に、その発想で成功したことがあるんです。確か1997年。日本ではインターネットの黎明期って言われていた頃、僕は阪神大震災がきっかけで(兵庫県芦屋市で被災)、仕事の中心をそれまでのDTPからホームページ制作にシフトしようと思っていました。

ですが、世の中まだまだインターネットは普及しておらず、ましてやホームページ制作がビジネスになるなんて、誰も信じていなかった頃です。けど僕は「風が吹くと桶屋が儲かる」的な発想で[インターネットはどんどん普及する]→[企業が広報を含めて発信する意味合いでホームページを所有する]→[それを見たい一般市民が増える]→[当時のHTMLなんて簡単なので個人でもホームページを作りたい市民も増える]→[だが、そうした人々はデザインすることに長けていないので困る]→[きっとホームページの画像素材のCDROMが売れるだろう]→[幸い僕はデザイナーである]→[だったら僕が作ったデザイン素材を無料配布すれば多くのユーザーがサイトに訪問してくれる]

という発想で、僕はホームページ制作用の無料デザイン素材、画像素材を無料で掲載しました。その数、最初は3000点。そして1年後には3万点になっていたのです。当然2ヶ月くらいで、自前のサーバーが壊れたのか思うようなアクセス数で、ハードディスクがカリカリ…どころか、ガリガリガリ!ギュイーンみたいな音を立てて悲鳴をあげたのです。その当時で1日に10万ページビュー。同時アクセスユーザーは1分間で100人を越えたこともありました。

この話は、書き始めると長くなるので別途改めて記事にしますが、要するに「風が吹くと桶屋が儲かる」的な発想は、インターネットやデジタルの世界では現実味を帯びているのだということです。

武漢ウィルスが拡大したら

さて、ここからは1ヶ月前の1月末に考えていたこと。[武漢で発生したウィルスがとんでもないことになっている]→[チャイナは武漢という街を閉鎖隔離したらしい]→[それだけの異常事態ならば絶対にウィルス被害は拡大する]→[そして日本にも必ずやってきてウィルスが猛威を振るう]→[伝染を避けるため人々はマスクを買い占める]→[さらに伝染をさけるため多くの人が集まる場所が閉鎖される]→[映画、セミナー、スタジアムが閉鎖され、イベントが中止される]→[国内の電車による交通手段も制限がかかる]→[企業は仕事にならないので、在宅勤務できる社員を推奨する]→[結果的にテレワークが爆発的に伸びる]…というものです。

本当はもっと先のことも妄想していたのですが。結果的に「桶屋が儲かる」みたいな浮かれた話にならないようなので、この辺にしておきます。

テレワークはハードル高い?

そして1ヶ月後の現在、ニュースでは毎日コロナウィルスのことばかりです。感染者は日々増えており、本当にマスクが品切れになった。そして実際に政府はテレワークを推奨し始めました。

江藤拓農林水産相は21日の閣議後の記者会見で、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、テレワークや時差出勤を拡大する方針を明らかにした。農水省職員を対象に、来週から実施する。これまでもテレワークは希望があれば認めていたが、来週以降は、糖尿病などの基礎疾患がある▽妊娠中▽未就学児や高齢者と同居している▽体調が万全ではない、の条件にあたる場合に実施を推奨する。

さらに、午前8時半、午前9時、午前9時半の3通りだった勤務開始時間に、午前10時、午前10時半を追加し、交通機関の混雑時の出勤を減らす。

本省職員の6分の1にあたる約800人が新たに設定した二つの勤務時間を利用することを見込む。江藤農水相は「休むのも今は仕事の一環だ、ぐらいの気持ちを持ってほしい」と話した。

総務省もテレワークをすすめる。高市早苗総務相は21日の閣議後会見で、総務省職員(約4300人)に対しテレワークや時差出勤を呼びかけたことを明らかにした。同省ではこれまでもテレワークなどを導入していたが、より積極的に活用するよう促す。

同省は21日までに全国知事会など所管する約100の関係団体や全国の自治体宛てに、テレワークなどの柔軟な働き方に配慮することを依頼する文書を送付。新型コロナウイルスに関する情報を住民に提供するよう求めるメールを、全国の都道府県知事や市区町村長に送ったという。(大日向寛文、井上亮)

2020年2月21日:朝日新聞サイトより

やっぱり…というか、ちょっと遅いよね…というのが僕の正直な感想です。そして、行政がテレワークを推奨しても、すべての会社がテレワークを導入するにはハードルが高そうなニュースも飛び交っています。

「うちの会社もテレワークにしたいけど、どうやってやればいいのかわからない」という経営者や管理者が大勢いらっしゃるようです。そもそもこれまでテレワークを導入しておらず、興味すらない会社にとって、これは「働き方改革」で残業減らすよりもハードルが高そうです。

なんだか…、これが日本が世界で遅れている要因というか現実。経済産業省の「2025年の崖」ではないですが、このままいくと本当に我が国の体力は、アジアで下から数えるような体制になるのが怖い。まだ「デジタルトランスフォーメーション=DX」すら理解できていない経営者や管理者が、テレワークを推奨しても、結果的に効率が落ちるだけになってしまい、コロナウイルスでこの先、未曾有の不景気、経済破綻がやってくるのに泣きっ面に蜂ですよ。

経済産業省の2025年の崖レポート(通称DXレポート)

これって、コロナウィルス対策で、急遽「免疫力つけなきゃ」と焦っている方々と同じですね。前の記事「がんがれミトコンドリア」でも書いていますが、免疫力を高めるには普段の食生活が重要で、口から入れるものを吟味しなくてはなりません。普段の積み重ねが、こういった危機が訪れたときに、デッド・オア・アライブを左右するのです。

テレワークも同じ。普段からデジタルで仕事をする効率化を考え、リモートでできる仕事はどんどんシフトしちゃえばよかったんです。それをちゃんとネクタイ締めて、満員電車に乗るという「修行」というか「苦行」が給料をもらえることだと考えているからかも知れないですね(別にそういう方々をディスっているのではなく、そういう組織がダメだと言ってます)。

これが僕の仕事場の環境です。遊んでいるようみ見えそうですが、毎日がっつり仕事してますよー

そのテレワークなんですが、僕自身は、もう20年以上実践してきています(途中で通勤もしましたがw)。思ったより難しくないし、効率的だし、働いている本人も幸せになれる…といういいことずくめなので、そのあたりを次回書きたいと思います。

つづく


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