フローリアン・シュナイダー逝去

クラフトワークの創設者

昨晩遅くに、音楽系のニュースサイトで、クラフトワークの創設者の一人である、フローリアン・シュナイダーが癌で死去したというニュースが流れました。73歳でした。

クラフトワークは、ドイツのバンド。うーん「バンド」と呼ぶには不適切かもしれませんね。シンセサイザーなどの電子楽器だけで演奏する音楽家集団。一般的にはテクノポップとか言われていますよね。

僕がクラフトワークと出会ったのは大学生の時、この頃は既に「アウトバーン」「放射能」「ヨーロッパ特急」がリリースされており、とりわけ「トランス・ヨーロッパ・エクスプレス」の歌詞の中にデヴィッド・ボウイとイギー・ポップの名前が出てきたのを発見して「うおー」とか思ったものです。

この当時ボウイはグラムロックの時代を経てアメリカでソウルミュージックに傾倒し、ヘロインでボロボロになった後に、ヨーロッパに戻って音楽作りを開始した頃。その場所はドイツのベルリン。ここでボウイはイーノと一緒に「ロウ」と「ヒーローズ」「ロジャー」というベルリン三部作を制作し、さらにイギーの「イディオット」と「ラスト・フォー・ライフ」をプロデュースしています。

その「トランス・ヨーロッパ・エクスプレス」の歌詞の中には、以下のような歌詞が出てきます。

From station to station, back to Dusseldorf City.
Meet Iggy Pop and David Bowie.

きっと本当にクラフトワークはベルリンでボウイとイギーに会ったのでしょうね。実際にベルリン三部作の最初のアルバム「ロウ」はシンセサイザーがたっぷり使われています。

リアルタイムで聴いたのは「人間解体」

そんななか、大学生の僕がリアルタイムで発売されたばかりのアルバムを聴いたのは「人間解体 / The Man Machine」でした。そしてボウイは「ヒーローズ」をリリース。そのヒーローズのB面の最初に収録されているのが「V2シュナイダー」で、この曲はフローリアン・シュナイダーのことを歌った曲。ボウイは彼のことを「V2シュナイダー」と呼んでいたそうです。V2とはナチスドイツの報復計画(Vergeltungswaffe)のロケット兵器の名前です。ボウイのMVにもV2ロケットとフローリアン・シュナイダーが登場していますね。

これはクラフトワークの「トランス・ヨーロッパ・エクスプレス」に対するボウイからのアンサーソングなんでしょう。ベースのリフをわざと裏からスタートさせるイントロで、頭一拍を抜いて曲がスタートするので、変拍子のように聞こえてしまう。すっごいセンスですね。最高です。

そして大学時代に買った「人間解体 / The Man Machine」も素晴らしかった。このアルバムの影響で男子はもみあげ(大阪弁ではチャリ)をカットするテクノカットが流行。実はYMOのテクノカットはクラフトワークがルーツなのです(実際に音楽のルーツもそうですけどね)。

当時、新しい音楽が未来を作っていくというワクワクは、パンクロックとクラフトワークが見せてくれたと信じます。実際に僕たちもクラフトワークに影響されて、シンセサイザーだけのバンドを組んで大学でデビューしました(エンゼルアワーを結成したを参照)。

これまでに2回ライブを観ました

その大学生の時(1981年)、クラフトワークが来日します。僕たちのバンドも全員チケットを買ったのですが(大阪厚生年金会館)、なんと来日コンサートの日とライブハウスの出演日が重なってしまい、泣く泣くチケットを転売。

しかし、それでも諦めきれずに翌日の名古屋でのコンサートチケットを入手して、バンドメンバー全員で車に乗って名古屋まで行き、クラフトワークのステージを見ました。※この動画の4:32あたりが1981年↓

「人間解体 / The Man Machine」のジャケットと同じ赤いシャツにネクタイで登場し、ラストの「電卓」では、クラフトワークのコンサートなのに(笑)総立ちで観客がステージの下まで押し寄せ、メンバーが持っている電卓型の楽器を触らせたりしていました。このライブは僕の今までみたコンサートでも、すごくよく覚えています。

そして昨年(2018年)渋谷のオーチャードホールでの来日公演を妻と一緒に観に行きました。残念ながらフローリアン・シュナイダーは2009年に脱退していましたが、やっぱりクラフトワークはすごかった。

デヴィットボウイとフローリアン・シュナイダー。大学時代に音楽に目覚めて、バンドをスタートさせることになった2人のアイドルが、この世を去ったのはとても寂しいですが、僕たちの中に確実にその遺伝子は受け継がせてもらった気がします。

合掌。


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