ATOM

空を超えてラララ星の彼方…

2009年のアメリカのCGアニメ。もちろんオリジナルは鉄腕アトム。

オリジナルのアトムと、CGのアストロボーイでは、違和感が大きかったけど、それでも最後まで見れた。

一番の違和感は、アトムが服を着ていることである。これは制作時にアメリカと日本で大きくもめたらしい。いくら子供とはいえ、パンツ一枚の主人公にアメリカ側が難色を示し、結局物語の多くでは洋服を来たままのアトムが、空を飛び、敵と戦うことになるのである。これはあんまりである。

アトムはパンツ一枚の姿が正装である。ヒゲオヤジ先生の小学校に通う以外は常にパンツ一枚だ。…というか「パンツ一枚」という意識すら、子供の頃の僕たちにはそんな意識を持ったことがなかった。なので、洋服を着ているアトムは、戦闘シーンで服を着ているブルース・リーよりも違和感が大きい。

日本人としては嬉しいような悔しいような

まあ、それも、そもそも3DCGアニメを日本で作れたら何の問題もなかったのだろうけど、こうしたアニメーションを作れるスタジオが日本に少ないことが悲劇だったんだろうね。予算の問題もあるんだろうけど、なにかと悔しくなる。

だから1950年代生まれのおっさんは見ない方がよい。よくできたアメリカのCG映画だが、そこにいるのは鉄腕アトムではなくアストロボーイなのだ。

アメリカで生まれて、アメリカの学校に通った連中が見て楽しい映画。ここには昭和のカケラはひとつもなく、このヒーローはメイドインジャパンなんだぜ…とアメリカ人に言っても「シラけるようなこと言うな」と言われそうな虚脱感。

物語は一応、原作を踏襲していて天馬博士から捨てられたアトムがサーカスに売られる…ぽい内容で、そこで孤児たちの面倒を見ているハムエッグ一座に入り、理不尽なロボット対決をさせられ、最後は本当の敵が出てきて、そいつをやっつけてめでたしめでたし的な。

Wikiで調べて分かったのだけど、この映画は声優がすごい。テンマ博士はニコラス・ケイジだし、お茶の水博士はビル・ナイなのである。

他にもサミュエル・ジャクソン、ドナルド・サザーランドなんかも出演していて、ゴージャスなのである。だから立派なアメリカの映画なのだ。もう一度言うが、これは鉄腕アトムではない。

改めて服を着て戦うアトムは最後まで許せなかったが、ラストシーンではパンツいっちょでエイリアンに向かっていくので、まあ、許してやってもよい(笑)。


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