サイボーグ009

今ならサイボーグ009がGoogle Playで無料

仕事で色々とサーチしていたら「Google Play」というサービスにたどり着きました。その中で「書籍&マンガ」というカテゴリに辿りつき、さらに「期間限定の割引マンガ」というカテゴリから「サイボーグ009・第1巻」を見つけました。

そもそもマンガを読むためにネットサーフィンしていたのではないのですけど、第1話が無料で読めることを知って、とりあえずブックマークだけしておきました。現在この第1巻は無料で読むことができるようです。

「サイボーグ009」は僕にとって、ある意味クリエイティブに目覚めた作品と言ってもよいです（大袈裟w）。以前に書いたブログ記事「マンガばかり読んでた子供」にもありますが、小学校低学年の頃の僕のバイブルで「マンガってすごいなあ、いつか僕もこんなものを作ってみたい」と思わせた作品です。

物語は、死の商人ブラックゴーストが核戦争でも戦える戦士として、サイボーグを作るのだが、その9人が叛逆を起こして、ブラックゴースト団と戦うという物語。第1話では世界中から、サイボークとして改造される人間を集めることからスタートします。

その集められた戦士たちは、サイボーグになる前は不良やレジスタンスやアル中や貧乏人で首吊って死のうと思っていた農民や、鑑別所を脱獄した少年などのクズばかり（笑）。まともなのはフランス人のお嬢さんである003（フランソワーズ・アルヌール）だけです。僕はその中で、アメリカ人のジェット・リンクが好き。彼の登場シーンはウエストサイド物語そのものです。

そして主人公の日本人（といってもハーフ）の島村ジョーが、サイボーグとしての腕を試されるシーンの石森章太郎の作画はすごいです。本当に生き生きと主人公が動いている。特に第1巻のジョーは、まだキャラが固まっていない分、少年らしさが満載で素晴らしいのです。

特に髪型を含めた009の表情は、ものすごく自然な感じ。さらにジョーがハーフであることも一生懸命記述しているようみ見えます。

登場するサイボーグ戦士はすべて魅力的なのですが、特に第1巻では女性サイボーグの003が魅力的。この後に発行される膨大なコミックスでは、003は徐々に日本人のような顔つきに変わっていくのですが、この第1巻ではフランス人・フランソワーズ・アルヌールという感じがします。

なんだか、ジェーン・バーキンやシルヴィ・ヴァルタンのようなイメージが、この頃はまだしていて魅力的。

そして気がついたのですが、003といえばヘアスタイルではカチューシャをしているのですけど、オープニングから数コマはカチューシャをしていないのですよね（笑）。個人的にはしていない方が魅力的なのですけどね（笑）。

考えてみれば、この先009と003は徐々に男女の関係になっていくのすけど（同時に003は日本人っぽくなっていく）設定当初は、009は一番年下の男の子で、003は年上のフランス人のお姉さんなのです。

年齢的に考えてみると009と003は、ほぼ同年代、もしかしたら008も同年代かも。そのちょっと上が003で、あとはみんな年上のおっさん（赤ちゃんの001を除いて）。そう考えると、もし実写ならば現実に忠実に各国の俳優で作られた映画を観てみたいと思いました。

改めてサイボーグ009を読んでみて思ったこと

小学生だった当時、ブラックゴーストは死の商人で悪いやつ。というぼんやりとした悪のイメージだったのですが、改めて第1巻を読むと、現実に死の商人は存在しているのですよね。いわゆる「軍産複合体」です。

石森章太郎は、このあたりもちゃんと調べて書いていたのかと思うと素晴らしい作品。あるいは主人公のジョーが「混血児」であることも、ちゃんと描いていて、未来の社会では混血であることが重要になると書いています。素晴らしい。

とはいえ、なかなか差別はなくならない、悲しい世界なんですけどね、いまだに（泣）

そして全体を通して、感動したのはサイボーグ戦士たちの友情です。これは第1巻でも素敵に描かれており、この先のシリーズでももっとも重要なのはサイボーグたちの友情だと改めて思いました。

こんな素晴らしい作品と自分が作った作品を比べるのはおこがましいのですが、今年僕は小説「遠い昔の未来の記憶」を書きました（よかったら読んでください）。そのなかで、書いているうちにキャラクターがどんどん勝手に動き始めて物語を作っていく…という不思議な経験をしました。それは遠い遠い昔に、このサイボーグ009を読んだからかも知れません。