親父と一緒に大脱走を観ていた。
物心ついた頃、特に高校生くらいから映画を見ることが大好きでした。子供の頃は父親が毎週テレビで映画を見ていたので、隣で僕も一緒に見ていたのが影響しているのかも知れません。
うちの父親は若い頃というか、結婚前は映画を見ることが趣味だったみたいで、テレビで「荒野の七人」とか「大脱走」とかをやっていると「俺はこの映画、映画館で見たんだ、面白いからお前も一緒に観ろ」と言われて、親父の横でテレビに夢中になっていたものです。
そんな僕も高校生になると、ある映画を観たことがきっかけで映画館で映画を観ることが趣味になってしました。その映画とは高校入学の春休みに見た「燃えよドラゴン」。
それ以来、映画館に行くのが楽しみだったのですが、なんせ封切り映画はそれなりにチケット代が高いので、僕は「名画座」と言われる封切りから少し時間が経った映画を2本立てから3本立てで公開している映画館に、隔週で通っていたのでした。
そういえばもう、「名画座」ってあまり見ないですね。僕が知らないだけかな?
101匹わんちゃん大行進。
そんな僕が、生まれて初めて映画館で観た映画を思い出してみると、ディズニーの「101匹わんちゃん大行進」という映画でした。なんで覚えているかというと、映画の中に出てくるわんちゃん(ダルメシアン)の子犬を毛皮にしようと企む鬼ババア「クルエラ・デ・ビル(Cruella De Vil)」があまりにも怖かったからです(笑)
調べてみると、この映画の日本での公開は1962年。ということは僕は4歳でまだ大阪府茨木市に住んでいました。もちろん映画は父親だったのか母親なのかは覚えていませんが、親と一緒に見ています。
映画そのものは有名なので、みなさんご存知だと思うのですが、本当に子供心にクルエラ・デ・ビルが怖くて怖くて仕方がなかった。
クルエラが持っている長いキセルから出てくるタバコの煙が、なにかとても邪悪なもののような記憶。電話をかけて怒鳴っているときの鬼の形相。車を運転している時の狂ったような顔つき…そのことだけを覚えています。子供が記憶に刻むことは、楽しかったことよりも怖かったことなのかしら…と思ってみたり(笑)。