ねぇ音楽好き?って言われても…

それは習字の塾でのこと

小学校の3年生から5年生くらいまで、近所で習字を習っていた。当時の子供の習い事は「習字」と「そろばん」という時代だったから。

僕の小学校時代は、愛知県稲沢市というところで6年間を過ごした。このあたりは所謂「田舎」であり、自宅から学校まで1キロくらい、田んぼと畑のあぜ道を歩いて通学していた。

その書道教室は、田舎の民家の座敷で行われていて、小学校の教室くらい広かったことを覚えている。そこに近所のガキどもが男女を問わず、学年も問わずに墨を擦って、筆を使って「平和」とか「希望」とか書いていたのである。

そんな僕に、同級生のお姉ちゃんがグループで仲良く習字をしていて、なんだか僕の方を見てニヤニヤしていたのが気になっていた。背も高かったし、ちょっと綺麗なお姉さんで内心ドキドキしたりしてた。

そして先生に自分の書いた習字を添削してもらうために、並んでいるときに、僕の後ろにそのお姉ちゃんグループが並んでいて、いきなり声をかけられた。

「ねぇ、音楽好き?」って。

ヴィレッジシンガーズって覚えてますか?

いきなり「音楽好き?」って聞かれてびっくりなのである。それも年上のお姉さんにいきなり面と向かって聞かれて、さらにドキドキなのである。実際に当時は音楽は嫌いじゃなかったけど、テレビの歌番組を見ている程度だったので、なんて答えたのか覚えていない。

「好き」と答えたのか「好きじゃない」って答えたのは覚えてないけど、とりあえず答えてみると、お姉さんは後ろの2人を顔を見合わせて「きゃきゃきゃ…」と笑って喜んでいる。

僕にしてみれば、何がどうなっているのか分からない。しかも、その質問はそのあとも、その後も何度も聞かれるのである。それは書道教室の中で流行り言葉になってしまい、関係のない男友達までが、僕に「おい、音楽好きか?」なんて聞いてくるし、先生ですら添削している時に「森川くん、音楽好き?」と聞いてくるほどであった(笑)。

たぶん聞かれるたびに「好き」とか「嫌い」とか答えていたのだけど、ある時「好き」と言ったあとに「じゃあ、グループサウンズでは誰が好き?」って聞かれた。そして「ヴィレッジシンガーズって好き?」と聞かれたこともあった。

どうして、こんなことを年下の学年の男子に聞いてくるのか、わけがわからず、とうとうそのお姉ちゃんの弟である同級生に「なんで、おまえの姉ちゃん、あんなこと聞いてくるんだ?」と聞いてみると「うちの姉ちゃん、ヴィレッジシンガーズのファンなんだよ、おまえが歌ってる男に似てるって言ってたよ」なんて言われた。

ヴィレッジシンガーズ?…「亜麻色の髪の乙女」のヒット曲で有名なグループで、僕に似ていると言っていたボーカルは清水道夫という人で、改めて検索してみると、小学校の頃の僕に似てないことはないと思ったりもする(笑)

僕はチャッピーが好きでした

自分の体感的にグループサウンズが流行していたのは、1967年から1968年。小学校の3年・4年という感じです。クラスの中でもグループサウンズに夢中になっているのは、ほぼほぼ女子(あたりまえ)で、僕は男子の割にはグループサウンズを応援していたように思う。

クラスの中で人気のあるグループは、タイガーズ、テンプターズ、ワイルドワンズ。要するにジュリー(沢田研二)、ショーケン(萩原健一)、チャッピー(渡辺茂樹)だったように思う。

僕はショーケンも好きだったんだけど、一番いいな…と思ったのはチャッピーの居るワイルドワンズ。

今でも、この3つのバンドはCDを持っていたし、耳にするたびに当時のことを思い出したりしてしまう。でもあれから50年も経過すると、色々と旅立ってしまう方々が多くて寂しいね。

ワイルドワンズの渡辺茂樹さんは2014年に、2015年にはリーダーの加瀬邦彦さんも亡くなってしまいましたね。

合掌。


このブログは、ランキングに登録しています。下のボタンをクリックすると、モリカワブログに一票入り、ランキングが上がります。皆さまのご協力を賜りたく、ぜひクリック(タップ)してください。(クリックするとブログランキングの結果ページに移動します)
投票ボタン