いぬやしき

久々の映画レビューですね

久々の映画レビューなので、ぶっちゃけ書き方を忘れました。ですので、今日はネタバレになる可能性があるのをご了承くださいませませ。

「いぬやしき」は奥浩哉氏の漫画が原作。奥浩哉といえば「GANTZ(ガンツ)」という漫画が代表作で、僕もそれにハマったひとりなのですが、この作品が映画化されたとき、心が折れるくらいのがっかり感がありました。

同じようなことは、大友克洋の「AKIRA」でも感じたのですが、まあそれでもアニメだっただけましだったのかも知れません。

主演にお金かけすぎたのかも

今回の「いぬやしき」は実写。観終わった感想は「もっとお金かけて欲しかった」ということ。役者陣は犬屋敷壱郎に木梨憲武。獅子神皓を佐藤健が演じていて、それはそれで悪くないのですが、この予算をもっと他に回すことができたら…と思いましたが、まあ日本の映画俳優のギャラは、おそらくハリウッドとは一桁違うのでしょうから、そもそもの脚本と監督に課題があったのかもしれないですね。

なーんてディスっているように聞こえるかも知れませんが、映画そのものはとてもよかったです。観てよかった。僕的は評価は★★★★です。その理由のひとつに、木梨憲武と佐藤健がよかったというのもあります(なんのこっちゃw)。というか、この二人と、安堂直行の本郷奏多、渡辺しおんの二階堂ふみ以外の出演者は、全部クズでした(笑)←ひどい。

中盤から痛快なシーン多し

会社で年下の上司から罵詈雑言で罵られ、土下座までして家庭を守ろうとする犬屋敷壱郎。その家族からも冷たくあしらわれ、自分に身についた能力で人々の命を救うことに喜びを感じる。

一方、不登校の親友を守り、愛する母を守り、健気で不幸な恋人を愛するが、離婚した父親の幸福な家庭に苛立ちを感じて、無差別殺人をしたことから、母を自殺に追い詰められ、恋人も警察に殺された獅子神皓は、日本国民全員を殺す殺人鬼になる。このコントラストがよい。

特に、2ちゃんねるで獅子神を攻撃するねらー達を、モニタ越しに射殺していくシーンは痛快だ。

そして、新宿を舞台にビルの大型ビジョンから、市民を大量殺戮するシーンは痛快。歌舞伎町に大規模なエキストラを使って逃げ回るシーンは、一番お金がかかっているかもしれない(笑)。

とりわけ、無責任な報道をする番組のキャスター(モデルやミヤネ屋)を電話越しに射殺するシーンは痛快そのもの。そして、さらなる大量殺戮で新宿のビルに次々にミサイルを打ち込む。「いいぞ、やれやれ!」と思わず口に出してしまうほど。そしてCGや合成も、それなりに予算がかけられていて、痛快なシーンが続く。

犬屋敷と獅子神の戦闘がすごい

その獅子神を止めようと犬屋敷が立ち向かう後半。新宿(特に西新宿)で、僕たちが見慣れたビル街での戦闘はかなりリアル。これは実写ならではのカタルシス。このあたりは、ハリウッド作品(アヴェンジャーズとか)といい勝負するようなCG合成。

都庁展望台でのクライマックス

大気圏での戦いを経て、原作やアニメでも同じの都庁での戦闘。ここで犬屋敷の娘を交えたクライマックス。娘を持つ親ならきっと泣いてしまうだろうシーン。映画として…というか物語として、もちろん正義は勝つのだけど、いい感じに仕上がってました(できればあと5分くらい短くてもよかった)

残念なエンディング

そして犬屋敷の活躍によって日本は救われる。ここからのエンディングが残念。原作ともアニメとも異なる終わり方。もちろん、映画としてはこの完結方法に作品のまとまりとして異論はない。だけど、原作やアニメとしては、ここからが犬屋敷壱郎と、獅子神皓を描く本質。

僕は、これまで虐げられてきた犬屋敷に家族が、理解を示す。そして、死んだと思われていた獅子神が、本当のヒーローになる展開。ここが描かれていないと獅子神はただの殺人鬼で物語は終わる。そこが残念。

…と無念な思いはあるものの、映画としてはよかった。まだ観ていない人は是非観てください。そして、続けてアニメ版の「いぬやしき」も観てくださいね。

でも、やはり天才奥浩哉を映像化するのは、日本じゃむりなのかな…と少し残念な気持ちです。ただ、原作やアニメを知らない方にはぜひ観て欲しい作品です。


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