天使のくれた時間

あのとき、こうしてたら別の人生があった

2000年、ニコラス・ケイジ主演のファンタジー映画。「あのとき、こうしてたら別の人生があった」という物語。

主人公のジャック(ニコラス・ケイジ)は、自らのキャリアアップのためにロンドンに旅立つ。付き合っていた彼女は、出発を考え直しふたりでの生活を続けようと、ロンドン行きを引き留める。

結果、ジャックはロンドンに渡り、その後ウォール街で大成功する金持ち社長になり、億ションに住み、会社までフェラーリで通勤。そんな彼にクリスマスイブの夜に天使(?)が現れた。

翌日、主人公は郊外の一戸建てで目が覚める。そこは空港で別れた元恋人が奥さんになっており小さな子供が二人と、犬が居るという、ささやかだが幸福な家庭だった。

…と、大まかなあらすじを書いたが、物語は予想通りの展開で進んでいく。これまでの生活とのギャップに苦しみつつも、徐々に現実を受け入れていくジャック。

これまでの独身貴族から、赤ちゃんのおしめを取り換え、子供を送り迎えする生活。最初は苦手な子供も、徐々に受け入れていく。むろん、妻との関係も同じ。面白いのは記憶が転送されたジャックは、これまでのウォール街で大成功のイメージがずっと残っていること。

僕も還暦の自分の記憶が、そのままに中学3年生に転送されるという小説(遠い昔の未来の記憶 )を書いたが、主体をどこに据えるかで、この種類のファンタジーは大きく変わってくる。

豊かな人生とは何なのか

そして、物語が進むうちに、人生、お金じゃなくて、大切なのは愛する人と家族なのだ。と解りやすく説明する映画なのだが、観ていて「やっぱお金も大事だぜ」と思う箇所も多い。解りやすいファンタジー映画なのに、なんだかそう考えると、観ていくうちに重苦しい気分というか、やりきれなくなった。

最後に、ジャックは元の世界に戻り、恋人を探す。別の世界では、ボランティアの弁護士をしていた彼女は、やり手の女弁護士になっていた。ニューヨークで成功し、次はパリに引っ越しをするという。…なんだ、こっちの世界でも、二人は幸せなんじゃないか。ここで描かれているジャックもケイトも、どっちの世界でも幸福なのである。

なんだかその部分が、なんか納得いかず(笑)、観終わってから、遠い遠い他人事のような気がする映画だった。

部分的によかったのは、クリスマス・イブに現れる天使(?)役のドン・チードルが演じる「ロトくじ」を使ったコンビニ強盗のシーン。アイアンマンの空軍中佐とは思えないぶっ飛んだ演技でよい(彼は3回登場する)。

それと、別の世界で登場する娘もかわいい。前にも何かで書いたけど、子役がうまい映画ってのは、大抵成功してるよね。



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