ゼブラーマン

元祖手作りヒーロー

2004年の三池崇史監督、宮藤官九郎 脚本の日本映画。主演は哀川翔。さえない小学校教諭がゼブラーマンに変身する。

教師であるため、息子は理不尽に学校でいじめられ。中学生の娘は援助交際、妻は不倫。そんな中に、母子家庭の転校生と教師は知り合う。おっさんとおばはんの年齢なのに、淡く切ない恋愛感情がよい。

社会的にダメダメなやつが、ヒーローになる…って設定はこの間観た「スーパー!」も同じ。「スーパー!」は2010年の映画なので、こっちの方が本家かもしれないが、ダメなやつが、手作りのユニフォームでヒーローになるってギャップが楽しめない…と最初は思ったが、そんなことは話が展開していくうちにどうでもよくなる。

そもそも、なんで哀川翔がゼブラーマンになったのか…という動機づけが薄い。単なる、ヒーローオタクの現実逃避じゃなかったのか…と思う。本当は、教員として、父として、向かい合って解決すべきことが沢山あるんじゃないのか…とか思ってしまい、中盤くらいまでちょっとイライラしていたが、そんなことは話が展開していくうちにどうでもよくなる。

つまり細かい設定や辻褄なんてどうでもよい。要は観ているものを飽きさせないスピードなのだ。テンポよく進む展開に次第にのめり込んでいく。このあたりは、脚本と監督の勝利なのかもしれない。

ゼブラナース最強

途中で出てくる、鈴木京香演じるゼブラナースがいい!この当時、鈴木京香はまだ30代半ばだと思われるが、すでに熟女の貫録(笑)かなりエロエロで目が釘付けになった。

ぶっちゃけ映画を観終わって、ゼブラナースの部分だけ(というか鈴木京香の巨乳だけ)をなんどもリプレイしたことは秘密だ。

カニ怪人をやっつけて、ゼブラナースと一緒にビールを飲んで蟹食っている夢は、最高だ。

後半になるにしたがって、教師とヒーローとの葛藤に悩む主人公や、周囲の演出がむしろ邪魔になってくるが、鈴木京香のお母さんや、やる気のない刑事との絡みを含めて、いいバランスを出していた。

おっさんが捨ててしまった夢

ラストに出てくる「望めば夢はかなう」というメッセージは、主人公をはじめとした同世代の男たちには、ぐっと刺さるメッセージだと思う。しかしながら、その叶う夢が「空を飛ぶ」という設定は果たしてどうなんだろう。最後の宇宙人との戦いは、それも含めて「細かいことはいいから、映画を楽しんでくれ」的なメッセージとして受け取ったが、それでいいのか。たぶんそれでよいのだろう。

もちろん「細かいことはいいから、映画を楽しんでくれ」という意図は理解できる。しかしながら、映画を楽しむには、いろんなことが迫力不足なんだよな。VFXはショボイし、カメラワークにも迫力がない。そこが残念だ。でも予算と技術がへっぽこの国、日本でもこれだけの娯楽作品が作れるのは、誇りに思ってよいと思う。

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