狼といえば、ブロンソンw
2007年のアメリカ映画。「狼の…」という邦題から、チャールズ・ブロンソンの「狼よさらば」をイメージしてしまう。ストーリーも一般市民の復讐劇なので、似ている。すごく似ている。
オープニングの幸せいっぱいのホームビデオが流れるシーン。このシーンを見るだけで、逆にこれから起きる悲惨な出来事が想像できてしまう。
ガソリンスタンドで目の前で息子を殺された父親(ケヴィン・ベーコン)が、このままでは、重い刑を科せられないことが解り、裁判を避けて復讐をする。映画とは関係ないけど、僕もアメリカが好きでなんども行っている。タバコを吸うのでドラッグストアとガソリンスタンドにはよく行くのだが、ガソリンスタンドやドラッグストアを襲撃するアメリカ映画って山の如しなので、いつもちょっとだけ緊張する(笑)。
復讐した相手は、ギャングのボスの弟 (ジョー) だったもので、ギャングたちが逆復讐に燃えるという、目には目を…的な展開。ちなみに、ジョーが刺殺された翌日に流れる音楽がジミ・ヘンドリックスの「ヘイ・ジョー」だったのには、ニヤリとしてしまった。
そして、逆復讐に燃えたギャングたちは、自宅を襲撃し、父も妻も次男も撃たれて倒れる。
3人が倒れているシーンが、長い尺であまりにもエンディングっぽかったので一瞬「なんちゅー理不尽なドラマや」と思ったのだけど、そこからが、本当の復讐劇。病院で奇跡的に息を吹き返した父親は、復讐のため病院を脱走し、銀行から預金を全額引き出し(父親は投資会社の副社長なのでかなりの金持ち)、さらに、ピストル2丁、ライフルを購入して、ギャングのアジトに車で突っ込む。
ぶっ殺しまくる映画
そこからは、もう血で血を洗うガンファイト。主役のケヴィン・ベーコンは、髪の毛をスキンヘッドにしてやる気まんまん。戦いの前に髪の毛を変えるのは「タクシードライバー」が元祖だと思うのは、俺だけ?
結果は父親の勝利で終わり、自宅に戻る…というエンディングなのだがそこで、僕ははっと気が付いた。
この復讐には勝者がいない。おそらく父親は自分の意志でピストルを購入して、アジトに向かっているわけで、立派な第一級殺人で、おそらく終身刑。ラストシーンで、生き残った次男のことを考えると、不幸な未来しか残されていない物語なのだ。
そもそも、ギャングに復讐しようと思ったところが間違いだったのかもしれない。でも、家族を思う気持ちを考えたら、そうした行動にでるしかなかったのだと思うし、なんとも後味の悪い映画だった。まあ、映画そのものは上手にできているし、面白かったんですけどね。
- 監督:ジェームズ・ワン
- 出演:ケヴィン・ベーコン
- 日本公開日:2009年10月10日
- ウィキペディアで見る