ロバート・レッドフォードの野球映画
アメリカ・メジャーリーグを舞台にした1984年の映画。主演はロバート・レッドフォード。
僕が映画にハマったのは高校時代。毎週一回日曜日には、映画館に足を運び年間で100本以上の映画を観た。沢山の映画を観たい、映画のことを沢山知りたいと思い毎月、映画雑誌「スクリーン」と「ロードショー」を買っていた。
その当時の僕のお気に入りのスターは、ブルース・リー、チャールズ・ブロンソン、クリント・イーストウッド・ジャン・ポール・ベルモンドなど、男臭い俳優が大好きだった。そんな男臭い俳優の中で人気があったのがロバート・レッドフォードなのだが、僕はちょっと苦手…というか嫌いな俳優だった。
レッドフォードの作品では、既にスティングを観ていて、スティングのレッドフォードは大好きだったのに、当時の映画雑誌のグラビアを飾っていたのは「華麗なるギャツビー」で、彼のタキシード姿が高校生の僕にはどうにも拒絶反応を示すものだったのです。もちろん、映画俳優としては申し分のない男前なんだけど、なんだかそれがすごく優等生的な感じがして、レッドフォードの映画はあまり観ないようにしていた。
映画としてよくできている
この映画「ナチュラル」は1930年代のアメリカを舞台にした映画。田舎の天才野球選手が、プロ入りをするために列車で向かう途中に起きた出来事をきっかけに宿泊先のホテルでピストルで撃たれてしまう。もちろんそれによって鳴り物入りの天才野球少年の選手生活は、デビュー前に消えてしまう。しかし、その16年後、ニューヨークの球団にスカウトされ、遅れてきた35歳のルーキーが、ダメダメのチームを率いて活躍する話。
久しぶりに映画らしい映画を観た気がした。とてもよい映画。もう一度言います「とてもよい映画」です。観ているうちにロバート・レッドフォードの魅力にどんどん引き込まれていく。35歳の遅れてきたルーキー…という設定もよい。僕はオッサンがギリギリの環境で、後がない環境で、ひたすら頑張る映画を無条件で応援してしまう(笑)。
以前は嫌味に感じていたレッドフォードの男前具合も、全然気にならず最後の試合の前に、監督から試合に出ろ!と言われた時のレッドフォードの笑顔は最高だった。
映画としては、前半のエピソードが謎すぎて、最後までよくわからなかったことが残念。「銀の弾丸でスポーツ選手を撃つ」…って何だ?
まあ、それもラストシーンの照明スタンド直撃のホームランで全部気にならなくなる。感動のフィナーレ。ああ、映画っていいなあ…と思えるシーン。さらに最後の、親子のキャッチボールシーンでは、ほっこり心が温かくなる。
本当にいい映画だった。また、観たい。
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- 監督:バリー・レヴィンソン
- 出演者:ロバート・レッドフォード/ロバート・デュヴァル/キム・ベイシンガー
- 音楽:ランディ・ニューマン
- 日本公開:1984年8月25日