プリンセストヨトミ

小説家・万城目学の長編小説の映画化。

2011年の日本映画。万城目学ってひとの小説は読んだことがないが、これは原作が素晴らしいに違いない。

この映画を見たのは、数日前の「神様はバリにいる」での堤真一 つながり(笑)。実は以前にも見たことがあるのだが、もう一度見たけど、やっぱり面白かった。いきなりネタバレ書きますが、3人の主人公である会計監査院が大阪に調査にやってくる。その果てには独立国「大阪国」があるという設定。

もうこれだけで、愉快痛快奇々怪界ですよね。特に僕は高校生から30年以上も大阪のコテコテの文化の中で青春時代を過ごし、かつ大阪でオトナになったので思い入れたっぷりでした。

会計監査院のキャスティングが素敵すぎる

主人公の会計監査院の3人のエリートが素晴らしい。メインは「鬼の松平」と言われている堤真一、そのアシストには爆乳の鳥居忠子(綾瀬はるか)、そしてフランス人ハーフという設定の旭 ゲーンズブール(岡田将生)。ちなみに鳥居は家康の側近である鳥居元忠から来ているようです。

リーダーの「鬼の松平」はアイスばっかり食ってますが、それがよい(笑)。

3人の会計監査院は、大阪到着後に「OJO」という大阪城保護団体の調査に入るのですが、そこでOJOのある空堀中学校と空堀商店街に関係していきます。空堀中学校では、小学校2年生から「女の子になりたかった」ことで学校にセーラー服を来て行きいじめらる男の子と、それを守る同級生の女の子。

そして、空堀商店街でOJOの正面にあるお好み焼き屋。これらがいい感じで繋がっていくのですが、残念なのは役者さんが大阪弁が下手くそなこと。実は堤真一の方がうまいんちゃうか…と思ってしまう(前回「神様はバリにいる」を見ているので)。

台詞としては関西弁を読んでいるのだけど、やっぱイントネーションが違うと全然ダメダメなんよね。特に宇梶剛士はひどいが、これは役者が悪いんじゃなくて、キャスティングした監督や、演出した監督の責任と思われ。

大阪国の謎解きもうまく描いている

まあ、そんな大阪弁にイライラするのも最初だけで、だんだん慣れます。そして「鬼の松平」の調査と推理と謎解きが素晴らしく面白い。面白すぎて、映画の中盤で大阪国のことを全部ゲロしてしまいます。

しかも白状してしまうのが大阪国総理大臣。お好み屋のおっさんで、セーラー服の中学生の父親 真田 大輔(中井貴一)なのです。

大阪国は400年前の「大坂夏の陣」まで遡り、豊臣家を根絶やしした徳川家康と、大阪市民の感情。そして実は根絶やしにしたと思われていた豊臣の末裔が行きていたという設定は、大阪人のは涙が出るほど嬉しい。

だから大阪人は家康が嫌いで、江戸が嫌いで、東京が大嫌いなのだと思うのですね(笑)

クライマックスは堤新一 対 中井貴一

クライマックスはプリンセス・トヨトミを会計監査院に拉致されて激怒する大阪国総理大臣と大阪国の男たち。静かにブチギレる中井貴一がかっこいいです。

この大阪国の男たち(これには深い意味がある)が決起するシーンは、さぶいぼ立ちます。つか、うっすら涙ぐんだりもする。僕も瓢箪を見たら真っ先に駆けつけると思います。なぜなら大阪が大好きだから。

そして男たちが決起したことで、通天閣も心斎橋も人っ子一人いなくなり、その異常事態に気が付いた綾瀬はるかが、巨乳をぶるんぶるん揺らして走り回るシーンは必見です(なんのこっちゃ)

そして、最後は大阪と男と、父親と息子と、人生をきっちり描いて涙します。久々に僕も親父のことを思い出しました。

ラストもいい感じで爽やかで素晴らしい。特にラストのおまけシーンの甲冑の中の人の声には( ̄ー ̄)ニヤリとさせられます。

もし、大阪で青春を過ごしたり大阪が大好きならば、本当にオススメの映画であります。


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