小説の舞台は1973年

1973年・中学三年生

今回の小説の舞台というか、設定は、Amazon kindleの商品紹介 にも掲載されているように1973年です。

舞台は2019年の赤坂見附から1973年の横浜。還暦を越えたデザイナー森園カンジは、46年前の中学校に意識と記憶が転送される。そこには中学時代に交際していたガールフレンドが校庭に佇んでいた。人生の終わりが見えてくる60歳は、様々な出来事に諦めなくてはならない年齢。だが、彼はここで、これまで生きてきた知見と技術はそのままに、若鮎のようなぴちぴちした肉体を手に入れる。もう一度諦めない人生を前に進めるために、還暦少年の冒険が始まる。

遠い昔の未来の記憶:商品紹介より

その1973年には何があったのか? 一番手っ取り早く知る方法は、Wikiぺディアで1973年 を検索してみるとよくわかります。今回の小説は、その1973年の5月から11月の中頃までの6ヵ月半の出来事なので、1973年の出来事から小説に関係する部分をいくつかピックアップしてみます(ちなみに小説に登場する部分は太字にしてみました)

花の中三トリオ

この年の2月に桜田淳子が「天使も夢見る」、5月に山口百恵が「としごろ」でデビューし、前年にデビューしていた森昌子と3人で『花の中三トリオ』と呼ばれていたのが1973年。僕自身も彼女たちと同学年なので、かなり親近感を持って見てました。特に山口百恵は、セカンドシングル「青い果実」からイメージチェンジして、ちょっと大人っぽい世界を歌い、中学三年には鼻血ブーでしたね。

この年は、麻丘めぐみ、アグネス・チャン、浅田美代子などのアイドル誕生の年でもあり、野口五郎、西城秀樹、郷ひろみの新御三家も全盛期。ポップス系は沢田研二(危険なふたり)、安西マリア(涙の太陽)、フィンガーファイブ(個人授業)、山本リンダ(狙いうち)、夏木マリ(絹の靴下)…とビートが効いた曲も多かったです(とはいえ、レコード大賞はちあきなおみの喝采でしたが)。

そしてフォークソング系の人々もガロチューリップなどがテレビの歌番組出演していて、一生懸命に見ていたものです。

特に当時、フォークが好きだった僕はテレビ神奈川でやっていた「ヤング・インパルス」という番組を毎週欠かさずに見ており、キャロル、RCサクセション、キャプテンひろとスペースバンド、外道などの演奏を食い入るように見てました。特に当時のやんちゃな中学生にとってはキャロルは神でした。

そして中学時代に見た日本のバンドで衝撃的だったのはRCサクセションです。生ギター2本とウッドベースという、かぐや姫と同じ構成なのに、叩き出すビートはロックそのもの。当時 忌野清志郎が「ガタガタ!」と叫ぶのがオティスレディングへのリスペクトだったとは、後になって知りますが、とにかくかっこよかった。ヤングインパルスでは、マンスリーレギュラーとして3ヵ月連続で毎週出ていたんじゃないかな(調べてみるとレギュラーは1972年いっぱいだったみたいだけど、73年には30分くらいのステージを演っていたのを観たことがある)。

グラムロック全盛時代

洋楽に目を向けると、この時代は1972年ほどではないにせよ、ものすごい名作がリリースされています。ストーンズの山羊の頭のスープ(悲しみのアンジー)、ボウイのアラジンセイン、ルー・リードのベルリン、ピンク・フロイドの狂気。もちろん、これらのアーティストの曲も小説の中にどっさり登場します。

ですが、この時代は「グラムロック」の全盛期だと思います。Tレックスの「20センチュリー・ボーイ」ボウイの「夜をぶっとばせ」。ホークウインドの「シルバーマシン」やモットザフープルの「すべての若き野郎ども」は前年のアルバムですが、ミュージックライフでは、グラムロックのミュージシャンがどっさり乗っていましたよね。この当時の僕は、毎月欠かさずミュージックライフと明星とスクリーンを買っていました(笑)

映画といえばポセイドンアドベンチャー

この頃の映画も素晴らしいものがたくさんありますが、当時の中学生は頻繁に映画館に通える財源がないので、僕が中学三年生で観た映画は「ポセイドンアドベンチャー」だけでした。

この映画はパニック映画のはしりでもあり、中学卒業後、映画少年になる僕は「映画館で映画を楽しむ」という体験の原型は、中三のポセイドンだったと思います。

テレビといえば「太陽にほえろ」

映画館に頻繁に通えない中学生は、テレビに釘付け。特に好きだったのは「太陽にほえろ」のマカロニ刑事(ショーケン)です。マカロニは7月13日オンエアの「13日金曜日マカロニ死す」で殉職しますが、子供心に「主人公があっさり犬死する」というのが、なかなか受け入れられなかったものです。

あとは「キイハンター」「時間ですよ」「必殺仕仕置人」「三国志」「子連れ狼」そして、小説では触れませんでしたが「どてらい男」もこの年ですね。

ジャイアンツがV9を達成した年

この年のプロ野球はよく覚えています。僕は阪神ファンでしたので(今も)、当時の江夏田淵の黄金のバッテリーには胸を躍らせました。特に夏の江夏の延長11回ノーヒットノーランは凄かった(さらに11回裏に自ら2号サヨナラ決勝本塁打を放った)。

そして秋は、残り2試合で1勝すれば優勝だったところを、最終戦の巨人との試合で、0対9で大敗し怒った阪神ファンがグランドになだれ込んで乱闘した場面は、なんだか悪い夢を見てるような気持ちでテレビを観てました。

この年、横浜ベイスターズは、川崎球場をホームにしていた大洋ホエールズで、ヤクルトはアトムズと名乗ってましたね。

最後に1973年のおさらい

最後に僕が覚えている1973年の出来事を列挙しておきますね。

  • 5月:吉田拓郎が強姦致傷の容疑で逮捕される
  • 7月:日本赤軍によるドバイ日航機ハイジャック事件発生
  • 8月:金大中事件
  • 10月:第四次中東戦争でオイルショック・モノ不足
  • 11月:ノストラダムスの大予言が出版される

いかがですか、このページに書かれている色々なことを、もし覚えておられるなら、きっと僕の小説を楽しんでいただけると思います。ぜひ読んでくださることを希望します。


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