今年オープンした渋谷店
昨年の6月17日にIKEA原宿店に行ったことは、ブログに書きましたが(IKEA原宿に行ってきた)、今回はことしオープンした渋谷店。
今年は渋谷店だけでなく、新宿店もオープンしました。いずれもビルの以前のテナントはフォーエバー21という、アメリカ資本のチェーン店舗。本国が経営破綻したために、日本の店舗も撤退という事情みたいで、昨年の原宿店に続いて、これまで郊外型のIKEAが、どんどん都心に進出してきます。
フロアそのものは、それほど大きいとは感じないのですが(それは郊外型IKEAと比べてしまうからですが…)7階までのフロアが全部IKEAなのは、それなりに楽しめます。
7階のスゥエーデンレストランにて
実はIKEA渋谷店に来たのは、これで2回目。ちょうど昼時だったので最上階のスェーデンレストランに直行しました。今日はここでIKEA渋谷店のサービスデザインとしての欠陥を多く発見しました。
ここは郊外型のIKEA港北と同じように、トレイを持って調理している前をスライドさせて歩くのですが、ここでの欠陥は顧客にメニューを明示していないこと。長いこと並んで、ようやく注文するのですが、そこにあるには小さな写真と商品名だけ、なにがどれくらいの量なのか直感的に理解ができず、ついつい多く注文してしまいました。
これが、もし顧客にメニューを分かりにくくして、多めに注文させるのが目的であるとしたが、ゲスなサービスですよね。
実際に料理の方は、それなりのIKEAクオリティで(笑)、まずくはないのですが(といってうまくもない…w)、やはりメニューで全体像を顧客に伝えるのがミスしているように思いました。
それよりも気になったのが、この店ではドリンク(アルコール販売が中止されているので、アイスコーヒーを注文しました)が、フリーのドリンクバーではないことです。しかも、レジで計算を終えて、レジ中の兄ちゃんが「ドリンクのコップはそちらにございます、ただしドリンクは一杯分だけです」と言われます。
どうですか、これ。僕には「ドリンクはお代わりするなよ」としか聞こえませんでした。もし、あらかじめ「ドリンクは一杯分です」とか「当店はドリンクバー形式ではありません」と聞いていたら、もしかして二杯分のドリンクを注文していたかもしれません。
今回、多く料理を注文しすぎたせいか、案の定ドリンクが足りなくなってしまいました。そして僕の後ろにはドリンクのカウンターがあります。このままコップだけ持って、アイスコーヒを注ぐことができたのかもしれません。けど、レジで「おまえはそのコップでアイスコーヒー一杯しか飲むなよ」と言われたのが、ムカついて、二杯目のタダ飲みはしませんでした。
では、乾いた喉はどう潤すのか。二杯目のアイスコーヒーを買えばいいのか…と思い、目の前の料理カウンターとレジを見ると、長蛇の列。今からまたレジに並ぶのかと思うと、いまいましくなり我慢しました。
アイスコーヒーは一杯100円。たった100円ならば、フリードリンクにしたほうが、顧客が苛立ちを感じることなく、このレストランのおもてなしに満足し、2回目を足を運ぶことでしょう。100円のアイスコーヒーをケチったIKEA渋谷は、顧客に満足なサービスを提供できていないと思いました。
いや、僕は100円が惜しいと言っているのではなく、また長蛇のレジに並ぶことへの不満を言っているのです。そこまで100円が惜しいのなら、ドリンクカウンターは100円の現金払いにしてくれたほうが、よっぽどまし。
なんだか、そこでイラっとしたのですが、ちょうど座席の間仕切りに、下の写真のように「お客様からのご意見をお聞かせください」と書かれたボードがあったので、QRコードで読み取ってみました。
僕がIKEAに言いたかったのは、このドリンクの改善、レジの改善、メニュー及びフードカウンターの改善だったのですが、スマホでアクセスすると、なんだか客を馬鹿にしたような質問ばかり。
ちゃんと意見してやろうと、途中まで書いてアホらしくなってブラウザを閉じました。この段階でIKEA渋谷は、顧客の意見という資産を獲得できなかったわけです。
都市型のIKEAはデザインされていない
10年前、僕が多摩美術大学情報デザイン学科にて情報設計を学生に指導しているころに、Y准教授がIKEA港北のサービスデザインを授業で行なっていて、店舗のカスタマージャーニーマップを作成させて、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)を指導されていました。
郊外型のIKEA港北は、顧客の体験がとてもよくデザインされていて、商品の陳列や導線によって、より充実したサービス提供によって所謂「ラストワンマイル」を実現していました。
今回の渋谷店、昨年足を運んだ原宿店は、おそらくIKEA港北とは顧客層や、落としていく金額も違うのでしょうが、あまりサービスがデザインされていないように感じます。
導線一つとってみても、エスカレーターの上がり下がりが一定のルールではなく、フロアをぐるりを回らせれたりしたりとか、ディスプレイされている商品がIKEAなのにも関わらず、渋谷店では取り扱っていない…という、ドアホか…と思うようなディスプレイがされていました。
なまじ、郊外型のIKEAのカスタマーエクスペリエンスが充実しているせいもあり、ちょっとがっかりした渋谷店でした。
まあ、それでも腐っても鯛。僕たちは買うものも決まってきたこともあり、満足して帰りました。このまま顧客がイライラして、せっかくできた都市型IKEAが潰れてしまいませんように…と願うばかりです。