Last for Lifeじゃないよ
このブログのタイトルは「ラスト・フォー・ライフ」です。でも「Last for Life= 人生の最後」ではありません。
Lust for Lifeというのは、イギー・ポップのアルバムタイトル。ストゥージースを含めると7枚目、ソロになってからは2枚目のアルバム。
ストゥージース時代から破滅的なステージを行なっていた狂気のアーティスト、イギー・ポップ。ステージの床に割れたガラスを敷き詰めてその上にダイブして転がったり(もちろん血だらけ)、すぐに裸になり果てはチンコを丸出しにして全裸でパフォーマンしたり…というイギー&ストゥージス。
そんなイギーのファンだったのがデヴィッド・ボウイ。彼が「ジギー・スターダスト」という架空のキャラクターを名乗った時、そのジギーのネーミングは「イギー・ポップ」と「ツィッギー」からインスパイアされたらしいです。
そんなイギーは、徐々に音楽的に行き詰まりを感じ、どんどん薬物依存になっていきます。同じ頃、アメリカに進出していたデヴィッド・ボウイもコカイン漬けの毎日。ボウイは「このままじゃダメだ、おれはヨーロッパに戻ってリスタートする」と決めて「ステイション・トゥ・ステイション」というアルバムを発表後、本当にヨーロッパに戻ります。
その時に一緒に誘ったのがイギー・ポップ。ボウイは自分よりも深刻な薬物中毒状態のイギーを、音楽で蘇生させようと思ったそうです。
ベルリンで蘇生したボウイとイギー
ドイツのバンド「クラフトワーク」の「トランス・ヨーロッパ・エクスプレス」という名曲がありますが、その曲の中に「Meet Iggy Pop and David Boiwe」という歌詞があります。電車(ヨーロッパ特急)の中で、イギーとボウイに会うなんてすごいですね。
そう、ボウイが薬物中毒から脱却し、音楽で蘇生しようと選んだのはドイツのベルリンだったのです。このベルリンでボウイは「ベルリン3部作」と言われる3枚のアルバムを発表し、イギーは2枚のアルバムをリリース。そのイギーの2枚のアルバムは、すべてボウイのプロデュースで、演奏のサポートメンバーも、カーロス・アルマーをはじめとしたボウイのバックバンド。
この頃のボウイとイギーは、本当に兄弟のようで、出来の悪い弟のために必死になって頑張るボウイがすごくいい感じです。そしてそれらは全て楽曲に現れている。
Lust for Life=がつがつ生きる
さて、そのLust for Lifeは、イギーがベルリンで録音した2枚目のアルバムタイトルでもあり、A面の1曲目に収録されている名曲です(ちなみにA面とか書いてしまうのが昭和のジジイですねw)。
当時1977年のリリースなので、当時僕は大学の1年生で、毎日のように聞いていたアルバムです。そして歌詞は、リスペクトしてやまない岩谷宏氏。彼のサイトに訳詞が掲載されているので、よければ読んでください→岩谷氏のサイト
彼はLust for Lifeという言葉を「がつがつ生きたい。何が何でも生きたい」と訳しています。もう最高じゃないですか? すごいっす。
僕がこのブログを開始した理由は、ここにも書きましたけど、60歳(還暦)になり、残り人生のほうが短いことが明確な事実。おじいさんな僕だけど、残りの人生も背中を丸めてブツブツ言いながら過ごすんじゃなくて「がつがつ生きていきたい」と思っているのです。Last for Lifeじゃなくて Lust for Life。
↑ちなみにこのBBCライブ。イギー・ポップが68歳の頃のものです。こんなにかっこいい(かっこわるい)クソジジイって素敵だと思いませんか。