2008年に公開された日本映画
韓国映画『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』に続く”彼女シリーズ”第3弾。未来から来た人造人間の少女と、彼女に惹かれていく青年の共同生活を描くSFラブストーリー。前2作同様に郭在容(クァク・ジェヨン)が脚本・監督を担当している。…とウィキペディアには書かれています。
今回のレビューもネタバレを多く含みますのでご容赦ください。結論からすると、監督が朝鮮人なので、ちょっとリズム感が日本映画とは異なりますが、かなりよい映画。「未来から来たサイボーグ」ということで、タイムリープを扱っており、細かい部分では辻褄が合わない箇所もありますが、十分楽しめる映画。
20歳の自分の誕生日にプレゼントを買いにきた大学生・北村ジロー(小出恵介)は、デパートで奇妙なボディスーツの『彼女』(綾瀬はるか)と遭遇する。『彼女』はジローが食事に来たレストランにも出現し、大胆で奇妙な言動・行動に振り回されつつ数時間を一緒に過ごすうちに、ジローは『彼女』に惹かれていく。しかし『彼女』は謎めいた言葉を残して突然姿を消す。
ちなみに、最初に現れた『彼女』はサイボーグではない。あ、なんかタイトルのサイボーグというのが気になっているのですが、僕の中ではサイボーグというのは、人間をベースに一部を機械化したものを指し、人間型のロボットは「アンドロイド」だと思っています。
さて、その人間の『彼女』が現れた1年後、今度はアンドロイドの『彼女』が、舞台となっている2007年に出現する。
この時の出現シーンは、まるっきり「ターミネーター」のオマージュ。監督のSF映画への愛を感じる。ちなみに彼女がバスに乗る際に、重みでバスが傾くのは攻殻機動隊。立ったまま寝るのはスター・トレックヴォイジャーのセブン・オブ・ナインへのオマージュだと思った。
そして1年前の『彼女』と同じように、アンドロイドの彼女はデパートで洋服を万引きし、レストランジローの前に現れる。前回と違うのは、彼女がジローの家まで付いてくること。そして彼女の目からはホログラム映像を投射される。そこには、余命いくばくもないジローが写っており、これからジローの身の上に起こる危機から守るためにアンドロイドの彼女をタイムリープで送ったのだ…という。
とまあ、そんな感じで僕と彼女の物語がスタートするのですが、このまま書いてしまうと、映画パンフレットの「あらすじ」になってしまうので、ここからは個人的な感想だけを書きますね
とにかく綾瀬はるかが可愛い
とにかく、アンドロイドの綾瀬はるかが可愛いのです。ジローに対しては優しい彼女なのですが、ジローを攻撃するやつにはめっぽう強い。そして1年前にやってきた彼女のように、大食いなのであります。でもそれが、とても可愛い。
さらに、ジローが遭遇した悲しい事件も、数多く解決してしまう彼女。アンドロイドなので強いのはあたりまえなのですが、そこに「やさしい心」が見え隠れする。
そのアンドロイドというキャラクターを見事に演じている綾瀬はるか。とにかく、色々と可愛いシーンばかりで、見ていてウキウキします。
過去の世界を案内される場面で涙する
そのなかで、ジローが忘れてしまっている生まれ育った場所に彼女が連れていってくれるシーンがあるのですが、ここがけっこうウルウルします。ちなみに時代設定で言えば、ジローの子供の頃は1980年代なのですが、ここで監督は、あえて1960年代の子供のころを表現しています。でも、それがいいんです。
遊び疲れて、最後はアンドロイドの彼女におんぶしてもらうなんて、最高じゃないですか。
アンドロイドに恋をしてしまう
そうこうしているうちに、ジローは彼女に恋をしてしまう。しかしながら、彼女には「恋をする」というプログラムは組み込まれておらず、酔ったせいもあり、彼女を叩き出してしまうジロー。なんだか切ないです。
そこに、唐突に起きる東京直下型大地震。このあたりの特撮も、それなりに気合が入っていて、迫力満点。命の危機に直面したジローのもとへ、すぐさま駆けつける彼女。かっこいい!
さらにビルの下敷きになり、下半身がない『彼女』が匍匐前進で、ジローのもとへ進んでいく。これもターミネーターですね(笑)
そして、彼女もジローの心がわかり始めたところで、またもや大きなビル崩れで下敷きになり。完全にクラッシュしてしまう彼女。雨の中、死んでしまった彼女の遺体を抱きしめるジローが切ない。
未来のジロー…そして…
そして、未来の描写が続きます。ちょっとSF映画としては説明的すぎますが、まあいいでしょう。ジローは彼女のアンドロイドを完成させて、彼女に見守られながら息を引き取ります。
さて、ここからの展開はあえて書きません。いい感じのつじつま合わせが描かれて、色々と答え合わせをさせられ「そうか、そういうことか…」という展開になります。
アンドロイドがクラッシュし、その亡骸を抱きしめているジローのところへ、現れる彼女。その彼女の正体とは…。
というハッピーエンドで終わります。Amazonプライム・ビデオのレビューでは、賛否両論あるようですが、僕はとってもよい映画で、心がほっこりしました。
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