千葉真一の凄さが光る作品
1973年の日本映画、シリーズ第二作。監督は前作「仁義なき戦い」と同じ深作欣二。 前作はこのシリーズのメインキャスである菅原文太の魅力が炸裂した映画だったけど、この映画は北大路欣也と千葉真一が主演。ぶっちゃけ菅原文太はオマケだと思う。
猛烈に面白い映画。多分脚本がいいのだろう。テンポよくどんどん物語が進んで行く。今回は広島を舞台に「村岡組」と「大友組」の激しい抗争が描かれている。
前作よりさらにパワーアップして凄いのが俳優。北大路欣也と千葉真一がすごい。特に「大友組」の大友勝利を演じる千葉真一。やくざの最低な人格を見事に演技している。頭が悪くて、自分(たち)の事しか考えず、カネと女と酒のことしか考えない最悪な人格を見事に演じている。
そして、その演技が半端ないのである。セリフのなかで「おめこ」とか「せんずり」とか放送禁止用語をばんばん連発する。見事だと思う。最強である。最低である(笑)
ちなみに千葉真一は、この映画まで男性ブロマイドの売上が4年連続トップだったらしい。そんな俳優が卑猥なセリフを連発し、話の最中にチンコをぽりぽり掻くような演技をするなんて凄いと思う。チャレンジャーだ。たぶんいま、ジャニーズで映画に出るアイドルに同じことを要求しても絶対NGだよな。
オメコの汁で飯を食う
ここまで書いて、せっかくなので千葉真一の名言を残しておきます(笑)
- 村岡は喧嘩売りに来ちょるんど。それを黙ってせんずりこいとれ言うんかい!
- 村岡が持ってるホテルは何を売っちょるの? 淫売じゃないの? 言うなりゃ、あれらはオメコの汁でメシ食うとるんで
すごいですねー。せんずりはともかく「オメコの汁で飯を食う」って、普通に言えませんで。
北大路欣也もこの映画でかなり頑張った。芸能界のサラブレッドだった彼がこういう作品を自ら進んで選んだというのは、やはり前作が日本映画史上革命的な映画だったからだろう。欲を言えば。もっと「人を殺す」狂気を描いて欲しかったとか思うが。
最初に、菅原文太はオマケと書いたけど、それでも彼が登場すると映画がぐっと引き締まる。菅原文太のセリフ、声だけで「ああ、これぞ仁義なき戦い」と思ってしまうのだ。
あー、日本映画で「仁義なき戦い」シリーズは、やっぱすごい。おもしれー。
- 監督:深作欣二
- 脚本:笠原和夫
- 原作:飯干晃一
- 出演者:菅原文太/千葉真一/梶芽衣子/北大路欣也
- 公開日:1973年4月28日
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