タイムパラドックスを扱ったSF映画
2012年のアメリカ映画。タイムトラベルやタイムパラドックスなどを扱ったSF映画。主演は、ジョセフ・ゴードン=レヴィットとブルース・ウィルス。
設定が難解なので、最初の頃はつまらない映画と思ってしまった。映画が面白くなるのは、やはりブルース・ウィルスが出始めてからである。そこそこ面白い映画だったけど、傑作かと言えばそうでもないと僕は思った。やはり、前半の説明的な部分がダルイのである。
タイムトラベルものの映画は、制作する側も難しいと思う。そもそもタイムトラベルが存在しないので、そこに生じるパラドックスも仮説でしかない。そして観客も「存在しないもの」の世界を体験するので、なんだかとても評論家っぽくなってしまって粗探しをしたりする。
ありえないものを、ありえないもののとして扱い、その上で物語を構築する展開が重要になってくる。だから、メインをタイムトラベルに置いてしまうのはよくないと思うし、別の物語性に観客を引き込むべきだ。
僕が書いた小説「遠い昔の未来の記憶」もタイムトラベル、タイムスリップ的なオープニングなので、そのあたりを払拭するのに苦労した。アマチュアの小説ながら、もはやタイムスリップなんてどうでもいいのだ(笑)
脚本評価の高い作品
とはいえ、この映画は、きちんとタイムトラベルに向かい合う映画。評論家の中では高評価を得ているらしく、色々な映画祭では「オリジナル脚本賞」を受賞しまくっているのである。
確かに、タイムトラベルを扱った映画としては、面白いが脚本が面白い。だが映像がイマイチだったような気がしてならない。
ラストのループを断ち切るシーンは圧巻で、よかったけどね。
ジョゼフ・ゴードンは、この映画を観る前に見ていた「メタルヘッド」にも出演していた役者なんだけど、なんか僕にとっては印象がイマイチな俳優だなあ…と思った。まあ、それだけブルース・ウィルスが突出している…ってことなのかもしれないけど。
・監督/脚本:ライアン・ジョンソン
・製作総指揮:ジュリー・ゴールドスタイン/ジョセフ・ゴードン=レヴィットほか
・出演者:ジョセフ・ゴードン=レヴィット/ブルース・ウィリス/エミリー・ブラント
・日本公開:2013年1月12日