映画賞を総なめだってよ
2012年の青春小説を原作に、高校を舞台とした日本映画。公開後ロングランを続けて、この年の映画賞を総なめにしたという話題の映画らしい。
高校のバレー部のキャプテンで、高校内のカリスマ「桐島」が部活を辞めるとことで、繰り広げられる高校生の日常を描いている。ちなみに、最後まで桐島君は出てこない。
映画は、桐島に大なり小なり関わっている数人の高校生の日常を淡々と描いている。これといった大きな事件もなく、ついでにオチもないままに、映画は唐突に終わる。まじで「え、これで終わりなの?」と思ってしまうエンディング。不思議な映画。普通の映画のようなオチとかを期待すると「なんのこっちゃ」って思ってしまう映画。
妙に印象に残る映画だってよ
しかし、観終って妙に印象に残る映画なんだな。いつまでも尾を引く映画。ジム・ジャームッシュの「ストレンジャー・ザン・パラダイス」を見終わった時に感じた経験に似ている。
何が印象に残るかというと、学校の生活。誰もが経験してきた中学や高校の風景。映画を観終わって残るのは、この映画に出てくる高校生たちではなく自分自身なんだよね。教室、放課後、体育館、屋上、廊下、校舎の裏…。沢山の思い出がある場所。そんな場所での自分自身の記憶が、この映画と重なってくる。映画がよいのか原作がよいのか分からないけど、まあ、そんなことはどっちでもよい。
あと、この映画は「音」がいい。学校の中のノイズ。グランドの音、体育館の音、教室の音。校舎の裏の静かな感じ。同じシーンでも視点を変えて撮影している手法は、音の編集が上手なので成功しているように思った。
不思議な映画。また観るかもしれない。
- 監督:吉田大八
- 原作:朝井リョウ
- 出演者:神木隆之介
- 公開日:2012年8月11日
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